【大学受験】基本のキから東大生が解説!現代文(評論)の勉強法|おすすめ参考書も

現代文評論の解き方・おすすめ参考書

わーいわーい!みおりんです。

2018年5月1日より無料で受け付けを始めた学習相談ですが、「現代文の勉強法がわからない」という質問を数多くいただきました。

そこで今回は、現代文の中でも評論にしぼって、私みおりんが思う勉強法を基礎からまとめてみたいと思います。なお、おすすめの参考書については評論・小説どちらも収録したものも含めてご紹介していきます。

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現代文(評論)ってそもそもどんな文章?

まずみなさんに問いたいのは、「現代文(評論)とはどういう文章か?」ということです。

大学受験で出題される現代文は、基本的には「何か一つのメッセージを伝えるために、あの手この手を尽くしている」文章です。

たとえば、あなたが高校生で、あなたに小学生の妹がいたとします。あなたはサッカー部に入っていて、毎日練習でくたくた。その上、学校の課題や受験勉強にも励まなければなりません。

部活と勉強の両立の大変さを妹にわかってほしい!そう思ったあなたは、どのように説明するでしょうか?

高校で部活と勉強を両立させるってすごく大変なんだよ。頭は使うし、体もぐったりだし。

しかし、妹は小学生ですから、部活というのがそもそもよくわかりません。

部活ってなに?なにが大変なの?どうしてそんなに疲れるの?

そこであなたは、部活がどんなもので、どれほど疲れるかを説明するでしょう。

部活っていうのは、小学校にもあるクラブ活動のもっと大変なやつかなサッカーやバスケとかのスポーツ系や、バンドやピアノなんかの音楽系とか、いろいろ選べるんだ。
お兄ちゃんの入ってるサッカー部は週に6日も練習があるから、学校の授業が終わってから毎日夜まで動きっぱなしなんだよ。

え〜!それは大変。わたしも学校では週に一度テニスクラブがあるから、ちょっとわかったかも。

これで、部活のイメージを伝えることができました。ここで使った「小学校のクラブ活動のもっと大変なもの」というのが、比喩に近いですね。

また、「サッカー・バスケなどのスポーツ系やバンド・ピアノなどの音楽系」というのは、部活の例を示しています。これは例示ですね。

さて、部活のイメージと大変さは伝わりましたが、それでも妹は、高校の勉強がなぜそんなに大変なのかわかりません。

でも、勉強はなんでそんな大変なの?わたしも学校の宿題があるけど、そんなに時間はかからないよ。

高校の勉強は、小学校より科目の数が多いんだ。たとえば小学校なら理科は理科だけだけど、高校だと理科のなかにも化学や物理、生物や地学…みたいな感じで、何種類もあるんだよ。しかも、毎日の課題もたっくさんあるんだ

へ〜!勉強の科目って小学校にあるものだけじゃないんだね。びっくり!

これでようやく、勉強の大変さも伝わってきました。高校の勉強が大変な理由として、あなたは「科目数が多い」「課題が多い」といったことを挙げています。勉強が大変であるということを伝えるために、その理由や背景を説明しているんですね。

そうなんだよ。レベルも高いし、英語なんて難しすぎて、テストで0点をとったこともあるんだ

勉強が大変なことを具体的に表すエピソードとして、「テストで0点をとったこともある」という話をしています。これを聞くと妹は、「ほんとうに大変なんだなぁ」と思いますよね。

な!だから、高校で部活と勉強を両立させるのってすっごく大変なんだよ。

最後にもう一度自分の言いたいメッセージを強調して、あなたはリビングを後にしました。

現代文の評論問題は、基本的にはこれと同じです。

メインメッセージ(=「高校の部活と勉強の両立は大変だ」)について、

  • 比喩(=「高校の部活は小学校のクラブ活動の発展版」)
  • 例示(=「部活にはサッカーやバンドなどがある」「理科も化学や物理などに分かれる」)
  • 理由背景(=「高校の勉強は科目や課題が多い」)
  • 対比反論、それに対する再反論 ※この例では出しませんでしたが
  • 具体的なエピソード(=「英語で0点をとったことがある」)

といったものを使いながら、なんとか伝えようとしている
(そして最後にもう一度メッセージを強調することもある)

というのが現代文の評論なのです。

評論のイメージが少し湧いてきたでしょうか?次では、これを踏まえて現代文の勉強法を考えてみたいと思います。

現代文(評論)の勉強法

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現代文を勉強する上で、前提となるのは、

  • 語彙(特に評論用語)
  • 漢字
  • 解答の書き方(「〜はなぜか」には「…から。」で答える、など)

といった知識です。これらは現代文の本体を読み解けるかどうかと若干別問題なので、単体でしっかり対策しておくようにしましょう。評論ワードをあつめた参考書や、漢字の問題集もたくさん出ています。おすすめの本は後ほど紹介しますね。

これらを前提として、現代文においては読解力というのが大切ですよね。読解力を鍛えるためには、

  • 普段から本をよく読む
  • 評論の「読み方」を勉強する

ということがおすすめです。

読書については、小説を読むのももちろんとてもいいことですが、評論対策という意味では新書をおすすめします。わたしも高校では毎月新書を読まされていました💧

(ちなみに高校生のみなさん、ここでいう新書ってわかるでしょうか?文庫より少し大きめのサイズの本のことです。「新しい本」ということではありません。)

評論の読み方については、次の章でわたしなりのおすすめ方法を紹介します。自分自身でもきっちり学ぶとベターですので、その次の章では評論の読み方を学べる参考書もご紹介しますね。どちらも参考にしてみてください。

現代文は「解きまくればできるようになる」科目ではない!

現代文は「数をこなせば自ずとできるようになる」ものではないとわたしは思っています。むしろ、なるべく早くに現代文の読み方や解き方を学び、一問一問についてそれを実践し、よくなかったところを改善する&文章全体の構造を知っていく、という作業をじっくりと行うことで、だんだんとできるようになっていくものではないでしょうか。

現代文(評論)の読み方・解き方のコツ

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わたしの考える現代文(評論)の読み方・解き方をお伝えします。

大きなポイントはただ一つ。

  • 文章全体の構造を把握しながら読んでいく

ということです。

これができると、細かな部分で知らない言葉や意味のとりづらい文章があっても、大きな障害とならずに読み進めることが可能になります。

構造把握を行うためには、

  1. 筆者のメインメッセージを見抜く
  2. ラインマーキングをする

というのが有効だと思っています。

①筆者のメインメッセージを見抜く方法

テクニックとして一応言えるのは、文章の最初と最後に書いてあることは本文のメインメッセージである可能性は高いですよね。先ほどの小学生の妹との会話の例からもわかったとおり、言いたいことというのは最初に伝え、最後にももう一度強調されがちです。

いちばん確実な方法は、本文で何度も何度も繰り返されて伝えられていることが何なのかを把握することです。言い換えがあった場合気づきにくい人もいるかもしれませんが、必ず高校生が理解できるレベルで書かれているはずです。

語彙不足を感じる人は語彙の参考書を使ってもいいので、メインメッセージは必ずつかめるようにしてください。

②ラインマーキングの方法

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わたしが実際にラインマーキングしていた現代文の問題

よく「本文に線を引きながら読みなさい」と指導されると思います。たくさん線を引きすぎるのは見づらくなってしまうのでおすすめできませんが、ある程度長い文章に対して「ここに何が書いてある」「こことここはどういうつながりの文章である」ということを可視化することは非常に重要だと思っています。

ここで役立つのが、ラインマーキングなのです。

人それぞれのやり方があっていいと思いますが、わたしが心がけていたのは以下のポイントです。

  • 大事そうなところに傍線を引く
    …これは訓練が必要なので、毎回の復習で身につけていきましょう。
  • 言い換え表現には「=」をつける
    …「つまり」「すなわち」「換言すれば」等の接続詞に注目。
  • 対比関係には「↔︎」をつける
    …「反対に」「逆に」「そうはいっても」等の接続詞に注目。
  • 因果関係には「→」をつける
    …「だから」「それゆえ」「結果的に」等の接続詞に注目。
  • 例示や比喩は( )でくくる
    …「たとえば」等の接続詞に注目。例示や比喩は記述の解答には基本的に不要なので、( )で大きく閉じてしまう。

このようにして本文にマーキングしていくと、解答の際にまとめるべきポイントが一目でわかるようになります。

「どことどこが対比とか、自分で判断できない!」という人は、問題集や模試の問題を解いた後に、解答解説を読みながら本文にラインマーキングをしてみましょう。

解答解説には本文の構成の解説が載っているはずですから、それを参考に書き込みをしてみるのです。

現代文のおすすめ参考書

最後に、現代文の学習に際しておすすめの参考書をご紹介します。

語彙・評論用語の参考書

『現代文キーワード読解[改訂版]』

定番の一冊。「頻出テーマが網羅されている」 と評価の高い参考書です。最重要語については、実際にその用語がどう使われるかまで、文章で示してくれているのもうれしいところ。

小説のキーワードも収録されているので、評論だけでなく現代文全体のキーワードをカバーすることができます。

 

『読解を深める現代文単語〈評論・小説〉』

こちらも人気の一冊。ジャンル別に整理されており、受験勉強だけでなく「教養としても非常に面白い本!」と高評価を得ています。国語力全体のアップが図れる参考書。

評論・小説どちらも網羅しているので、現代文全体をカバーできます。

漢字の参考書

『生きる漢字・語彙力』

駿台文庫の人気参考書。2300語収録されており、漢字の意味までしっかり解説されているのがうれしい一冊です。

赤シートで隠して使うこともできるし、「例文がおもしろい!」と評判(笑)

 

『頻出入試漢字コア2800―新版完全征服』

桐原から出ている定番の一冊。こちらも語の意味までしっかりと解説されており、収録数も2800語と安心・満足の参考書です。

 

『上級入試漢字―国公立入試対策』

漢字の勉強が好き!国公立を受験する!という人におすすめの参考書。約4000語と大ボリュームです。「これ一冊やれば間違いない!」という声が多数。

じつはわたしも使っていました。レイアウトが見やすく、使いやすいのでお気に入りでした☺︎

 

現代文の読み方を学ぶ参考書

『船口のゼロから読み解く最強の現代文 (大学受験Nシリーズ)』

現代文の入門書におすすめの一冊。現代文の基本的な読み方を学ぶことができます。

1周で身につかなければ、2周、3周と使ってみましょう。しっかり読み込みたい参考書。

 

『現代文読解力の開発講座 (駿台受験シリーズ)』

「現代文の基礎はある(平均点くらいはとれることが多い)と思うけれど、いまいちよくわからず読んでしまっている」 という人におすすめの参考書。とにかく解説が手厚く、熱狂的なファンもいる一冊です。

 

センター対策におすすめの参考書

『きめる! センター現代文』

現代文の読み方がある程度理解できている・理解できてきたという人におすすめなのがこちら。センターの過去問を解く前に挟みたい一冊です。

評論・小説ともに収録されており、センター現代文の「答えの導き方」のノウハウをつかむことができます。わたしも使ってました!

 

『センター試験過去問 国語 (2019年版)』


『きめる!〜』が終わったら取り組みたいのが過去問。時間を計って、なるべく短時間で解ききれるようにしましょう。

 

『センター試験必勝マニュアル国語(現代文) 改訂版』

センター演習をしているときに点数の伸び悩みを感じたら、使ってみてほしいのがこちら。読書感覚でいいので、一度読んでみるとヒントが見つかる一冊です。

 

二次・記述対策におすすめの参考書

二次・記述対策におすすめの現代文の参考書を、おおまかにレベル順にご紹介します。

『入試現代文へのアクセス 発展編 (河合塾シリーズ)』

毎年大人気の『アクセス』シリーズ。MARCHレベルを目指す受験生におすすめなのが発展編。ラストに各問題の150字要約がついており、効果的に使うことで論述の力をつけることができるでしょう。

 

『上級現代文 1―国公立入試対策』

標準的なレベルの国公立対策におすすめの一冊。受験生から定評があります。

詳しい解説とボリュームがうれしい問題集で、二次の記述対策にかなりおすすめです。

 

『入試現代文へのアクセス 完成編 (河合塾シリーズ)』

先ほども登場した『アクセス』ですが、こちらは全3冊のシリーズのうち最も難易度の高い完成編旧帝大や早慶上智レベルを目指す受験生におすすめです。

発展編と同様、ラストに要約問題がついており(こちらは各200字)、本文の理解を深めることができます。

 

『得点奪取現代文記述・論述対策 (河合塾シリーズ)』

解答解説が非常に丁寧なことで定評のある『得点奪取』。旧帝大、早慶上智レベルを目指す受験生におすすめです。

解説が詳しいので、独学で受験に挑む人にも使いやすい一冊です。

 

『上級現代文Ⅱ』

先ほどご紹介した『上級現代文』シリーズの2冊目。難関国公立大を目指す受験生におすすめです。

現代文の解答の作り込み方まで学べるのがうれしい問題集です。


わたしが実際に使った参考書はここにご紹介しました!

 

まとめ

大学受験の現代文について、評論の読み方からおすすめの参考書までご紹介してきました。

とらえどころがないと思いがちな現代文ですが、特に評論は一定のメソッドにしたがって勉強していけば必ず点数を伸ばすことができるものです。特に東大京大レベルを目指す人は、センター国語の評論では満点を確実にとるつもりで勉強を進めましょう。

▶︎勉強法の基本を解説!英語バージョンはこちら💡

▶︎東大国語の対策をしたい方はこちら(●ˊᵕˋ●)

2 件のコメント

  • ラインマーキングとても参考になります!
    質問なのですが、みおりんさんは本番や模試の時(見直しではなく)の国語でもラインマーキングをされていましたか?
    また順番としては設問読む→ラインマーキング→解答作成という順番でしょうか?

    • はい、本番もラインマーキングをしながら読んでいました!わたしは文章を頭から読みながらラインマーキングしつつ読む→設問読む→解答作成、という流れでした。

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