タクシーに乗れる温かいお財布よりも、どこまでも歩けるたくましさが欲しい

ためらいなくタクシーに乗れる大人になる、予定だった。

新卒2年目で独立したばかりのわたしは、これからは一人でバリバリ働いてバリバリ稼ぐのだと燃えていた。お金のない学生時代を経て、我慢してきたことや夢だったことをたくさん叶えたいと思っていた。

たとえば、こんなこと。本当にノートに書いていた。

  • 独立洗面台のあるお部屋に引っ越す。
  • ロクシタンの洗い流さないトリートメントを日常的に使えるようになる。
  • タクシーで移動できるようになる。(○○さんほどではないにしても、気軽に)

 

独立洗面台つきの部屋が必ずしも豪華とは限らないし、ロクシタンのヘアトリートメントもせいぜい¥2,500くらいで、わたしの髪の長さなら半年前後使える。その程度のことだけど、わたしにとっては夢だった。

タクシーのところで書いていた○○さんというのは、前職でお世話になった元上司の方の一人で、飲み会の前後の移動はどこであってもタクシーを使う人だった。親からの相続などではなく、ご自身の稼いできたものによるお金持ちだった。

わたしは学生時代、数えるほどしかタクシーに乗ったことがない。お酒で本当にべろべろになったとか、そういうどうしようもない数回だけ。社会人になってからも、上司や先輩が一緒に乗せてくれたときが何回かと、体調を崩して歩けなくなったときが1回…くらい。

タクシーに乗るということは、わたしにとっては特別なことだった。終電がなくなるとか、電車やバスがない地域に来てしまったとか、動けなくなるほど体調を崩したとか、そういう特殊な場合にしか使えないものだと思っていた。だから、日常的にためらいなくタクシーに乗れる人は、それだけですごく余裕のある大人のように見えた。

 

お金に余裕ができたら、いまより気軽にタクシーに乗るんだ。

そんなふうに、無邪気に夢見ていた。

 

でも、いま、あくまで当社比だけれど以前よりはお金の余裕ができたはずなのに、わたしはタクシーに乗っていないし、乗りたいともそんなに思っていない。

電車やバスで移動できるなら、電車やバスに乗ろうと思う。歩いて20分程度なら、歩こうと思う。

わたしが想像していた、夢見ていた「大人」は、歩いて10分以上かかる場所ならすぐに道で手を挙げてタクシーを止める人。いま、そうなろうと思えばできる、たぶん。でもしない。

わたしはタクシーに乗れる温かいお財布を求めていたわけじゃないんだ、と思った。これまで電車かバスか徒歩しかなかった選択肢に、もう一つタクシーという可能性が増えたらいいなという、シンプルに選択肢を広げたいなというだけの夢だったみたい。そしてわたしは、短い距離をタクシーで移動している自分より、汗だくになりながら歩いている自分のほうが、なんかかっこ悪くてちょっと好き。

わたしはまだ若くて、体はそんなに強くないけど総じて健康で、がんばって生きていて、どこまでだって歩いていける。そういうたくましさのほうが、お金の入ったお財布よりも、わたしは誇らしい。

 

まだまだずっと自分の足で歩いていきたい。熱中症にならないように気をつけながら。笑

 

 

3 件のコメント

  • 私はつくづく、早く大人になりたいなとか‥高校生になりたいなとかボヤいてます‥(笑

    高校生になったらしたいこともたくさんあるし
    大人になったらしたいこともあります。

    でも来年でも再来年でも‥大人になっても‥おばあちゃんになっても((ゑ
    今頑張ればなんにだってなれるんだって気づきました…!
    今がんばれば‥もしかしたら描いていた夢が叶うかもしれない‥彼氏ができるかもしれない((やばいやばい

    なので、勉強頑張りますっ!((もうすぐ前期期末テストがきます‥夏休み明けですが

    自分なりに努力して…友達と笑って…好きな人にも告白して((なに言ってんだ笑

    みおりんさん!これからもよろしくお願いします☺️

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